【使ってみた!】冬キャンプのススメ。ファミリーキャンプの寒さ対策(寝具編)

初めて冬キャンプをする時、「本当に大丈夫?寒さで困らない?」と、かなり心配しました。凍えたりしないか、不安が尽きませんでした。

家族でキャンプを楽しむ際は、特に子どもが寒さで眠れなくなったり、体調を崩さないようにすることが大切です。そこで今回は、冬キャンプ初心者のご家族に向けて、寝具(シュラフ・スリーピングマット)選びで迷走した我が家がたどり着いた現在の装備をご紹介します。

目次

冬用シュラフ(寝袋)

我が家が初めて購入したシュラフは、予備知識ゼロのまま、ネットで安い順や評価の高い順で決めて購入したものでした。寒さはなんとか凌げましたが、結局、自分たちが想定していなかった理由で後に買い直すことになります。

男女の寒さの違い

まずお伝えしたいのは、男女で寒さの感じ方に違いがあるという点です。もちろん例外もありますが、一般的に女性の方が寒さを感じやすいとされています。

女性男性
冷え性約60%約20%
体感温度室温が同じでも寒さを感じやすい筋肉量が多く体温が上がりやすい
原因筋肉量が少なく、体温が下がりやすい筋肉量が多く、体温維持しやすい
寒さの男女差

その主な理由のひとつは、体温を維持する役割を持つ筋肉量が男性より少ないため、女性は冷えやすくなるということです。ファミリーで冬用のシュラフを検討する際は、男(夫)に任せきりにするのは危険です!

確かに、男の人は寒いのか暑いのかよくわからないときがあります…

シュラフには規格があった

おお!マイナス30度まで対応…この表記だけで無敵感が半端ないですが、ネットでは安価で高スペックを謳うシュラフも多く販売されています。本当に大丈夫かと疑いたくなることも。購入前には、製品の規格や実際の性能をしっかり確認することをおすすめします。

シュラフには「ヨーロピアン・ノーム(EN)」というEU諸国で制定された統一規格があり、温度表記についてはEN13537によって基準が定められています。

ComfortLimitExtreme
快適
使用温度
下限温度極限温度
成人女性が寒さを感じることなく寝れる成人男性が丸くなって8時間寝れる一般的女性が丸くなって6時間耐えられる
EN 13537の基準

「Comfort」の快適使用温度が、シュラフを選ぶ際に最も注目すべきポイントです。目安としては、キャンプ予定地の最低気温より5度ほど低めの快適使用温度のシュラフを選ぶと良いでしょう。

快適使用温度を下回る気温では、寒くて眠れないなどの辛い経験になることもあります。事前にキャンプ予定地の気温とシュラフのスペックを十分に確認しておきましょう。

匂い(獣臭)

我が家がシュラフを買い替えた最大の理由は匂いです。まるでさっきまで野生動物が一緒に寝ていたかのような匂いで、どうしても我慢できませんでした。陰干しや洗濯をしても消えなかったため、諦めて新しいシュラフを購入しました。

イメージ

我が家はコンパクトになるダウンシュラフにこだわりました。特に匂いに敏感な方は、積載に余裕があれば化繊シュラフも選択肢の一つです。ダウンシュラフは高価でも、必ずしも匂いがしないわけではありません。

我が家が選んだ冬用シュラフ

2度目のシュラフ選びは妥協せず、信頼のおける老舗メーカーの製品を選びました。

それが、「NANGAのオーロラライト750DX」です。購入の際、取り扱い店舗で夫婦でにおいを嗅ぎまくり、きっと不審がられていたと思います。

このシュラフは防水加工が施されており、シュラフカバーが不要な点がとても便利です。そして、何よりも収納が極めてコンパクトなのが我が家のお気に入りポイント。コンパクトさは最大の選定条件でした。

さらに嬉しいのが、永久保証が付いていることです。子どもたちが独り立ちするときには、このシュラフを持たせ送り出したいですね。
ナンガの永久保証の詳細についてはホームページを見てください。

高価な買い物になってしまいましたが、一生ものとして購入しました。流石に4人分はお財布に厳しかったですが、買ってよかったと感じています。

シュラフの保管

キャンプから帰ったら、軽く陰干しをして100均の大きい洗濯ネットに入れて保管しています。風通しの良い、日が当たらない場所がベストです。付属の収納袋のまま保管すると、取り出した際に膨らみにくくなるので、この方法をおすすめします。

スリーピングマット選び

スリーピングマットとは、シュラフの下に敷いて使用する寝具の一つで、キャンピングマットとも呼ばれています。我が家は積載に余裕がないため、いくつかのマットを試してきましたが、快適さとコンパクトさはトレードオフだと実感しています。

スリーピングマットの種類

・エアーマット
・クローズドセルマット
・インフレータブルマット

エアーマット

コンパクトさに惹かれて、最初はエアーマットを購入しました。しかし、空気が抜けてしまうことが多く、何度か無償交換してもらったり、他の製品に買い替えたりしたものの、エアーマットでは満足のいく使用感が得られませんでした。

さらに、寒さも問題でした。エアーマット内の空気が対流によって冷やされ、保温性が低くなってしまうのです。キャンプを始めたばかりの頃は、なぜ夜中に冷え込むのか、その原因が全くわかりませんでした。

メリットデメリット
軽量でコンパクトパンクしやすい
寝心地が良い空気入れるの面倒
比較的安価底冷えする
エアーマットのメリット・デメリット

エアーマットは、通常の使用方法であれば簡単に空気が漏れることはありません。しかし、当時幼かった我が家の子どもたちは無邪気にエアーマットの上で遊んでおりそれが致命傷に。小さな子どもがいるファミリーキャンプでは、取り扱いに注意が必要かもしれません。

スリーピングマットにも規格があった

シュラフに規格があるように、スリーピングマットにも断熱性を表す『R値』という規格があります。このR値は、アメリカの米国試験材料協会(ASTM International)が標準化した『ASTM F3340-18規格』に基づいています。

R値季節
R1〜R2
R2〜R4春・夏・秋
R4〜R6春・夏・秋・冬
R6以上極寒

地域ごとに寒さの度合いが異なるため、R値を参考にして、必要な断熱性のマットを選ぶとよいでしょう。ただし、R値は海外規格なので、国内メーカーの製品には必ずしも設定されていない場合もあります。

クローズドセルマット

空気漏れとの戦いに疲れ果てた我が家が次に選んだのが、サーマレストの「Zライトソル」でした。空気を入れる必要のないタイプです。空気が入らないため、対流による冷え込みも起こりません。

このマットのR値は2ですが、九州でのキャンプということもあり、秋から冬にかけて使用しても冷え込みを感じることはありませんでした。ただ、朝起きると初老の体は度々悲鳴を上げまして

メリットデメリット
設営撤収が簡単寝心地は硬め
耐久性が高い結構かさばる
アレンジし易い価格が高め
クローズドセルマットのメリット・デメリット

素材が薄く柔らかいため取り回しがしやすく、ハンモックの内側に敷いたり、御座敷スタイルの際には座布団代わりにも使えます。

キャンプ場で猛毒性物を研究する息子

サーマレストZライトソル(レギュラー)。当時は約¥6,000で購入できたと思いますが、今は¥10,000ほどに値上がりしているようです。

インフレータブルマット

『もう少し柔らかさが欲しい』とのリクエストから、次にインフレータブルマットを検討しました。インフレータブルマットとエアーマットの違いは、ウレタンフォームなどのクッション材が入っていることです。バルブを開けると勝手に空気を吸い込んで膨らみます。

スノーピークのインフレータブルマットは付属の収納袋を使って、自分で膨らますこともできます。

出典:スノーピーク

当初、積載に余裕のない我が家では選択肢から外していたのですが、実際に使ってみると驚くほど快適で、特に冬キャンプには欠かせないアイテムになりました。

メリットデメリット
寝心地抜群収納デカい
底冷えし難い洗えない
勝手に膨らむ撤収面倒
インフレータブルマットのメリット・デメリット

インフレータブルマットの自動膨張を待つのが苦手な私たちは、エアポンプも購入しました。使用時の音が結構大きいので、使用する時間帯には特に注意が必要です。

DOD(ディーオーディー) ソトネノエアポンプ 

個人的な感想ですが、インフレータブルマットはあまりパンパンに空気を入れず、少し柔らかめにする方が使いやすいと感じます。体の凹凸をある程度吸収してくれる、程よい硬さがおすすめです。

寝室の床

冬キャンプでは、電源が常設されている電源サイトの利用がおすすめです。ホットカーペットや電気敷毛布を使うことで、より快適に過ごせます。寝るとき以外でも、ホットカーペットがあれば子どもたちも寝転がってリラックスでき、快適な時間を過ごせます。

ホットカーペットの使用上の注意点

・低温やけどに注意
・熱中症に注意

インナーマット
ホットカーペット or 電気敷毛布
ラグ

インナーマット

購入したテントのメーカーからは、純正のインナーマットも販売されています。専用に作られているため、テントのサイズにぴったり合い、快適さは間違いありません。しかし、その分厚みがあり、収納時にかさばってしまうのが難点です。

冬場は敷物を重ねて使うことが多いので、純正インナーマットではなく、厚手のレジャーシートを代用することが多いです。

メーカーやテントの種類によっては、純正のインナーマットが販売されていないこともあります。

ホットカーペット

電源サイトを利用できるときは、冬キャンプでは迷わずホットカーペットを持って行きます。1.5畳サイズと3畳サイズを使い分けており、御座敷スタイルでは3畳サイズを敷き、通常のロースタイルの場合は寝床用として1.5畳を使用しています。

御座敷スタイルでホットカーペットを使うと、暖かさに子どもたちがそのまま寝てしまうことがあります。しかし、低温やけどには十分に注意が必要です。

電気敷毛布

電源サイトが予約できなかったり、そもそも電源がないキャンプ場では、ポータブル電源を使って電気敷毛布をホットカーペットの代わりにしています。ホットカーペットほどの暖かさはありませんが、底冷え対策には十分役立っています。

御座敷スタイル

ラグ

ラグはニトリで購入した、厚さ10mmの「Nウォームラグ」を愛用しています。キャンプで使用するため、汚れや傷みは避けられません。そのため、安価な価格設定が非常にありがたいです。さすが、『お値段以上』ですね。

出典:ニトリ

積載に余裕があれば、より厚手のラグの方が快適だと思います。Nウォームダブルスーパーの30mmなどで寝っ転がりたい!

まとめ

寝具は過酷な自然環境から身を守るための大切なアイテムです。安心して眠るためにも、スペックは少し高めのものを選ぶことをおすすめします。九州を中心にキャンプをしていますが、山間部では氷点下になることもあり、過信は禁物です。

そのため、予備のブランケットを必ず持参し、特に冷え込みが厳しい際にはシュラフの上に重ねて使うなど、寒さ対策を徹底しています。

寒いときには家族みんなで肩を寄せ合い、早々にシュラフに入って寝てしまうのも我が家の冬キャンプの楽しみ方です。

冬キャンプの快適な睡眠のために、参考になれば幸いです。それでは、また!

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