こんにちは!biwo-campです。
九州は6月末には梅雨明けし、いきなり真夏のような酷暑がやってきました!これからの季節キャンプの快適さを左右するのは、クーラーボックスの保冷力。食材を守り、キンキンに冷えた一杯で乾杯する…これぞ夏の醍醐味です。
キャンパーなら誰もが憧れるYETIやコールマンのスチールベルトクーラー。最近はICECOの車載冷蔵庫も気になって仕方ありません。
しかし!ご存知のとおり、我が家はジムニーでキャンプを楽しむ「狭小ファミリーキャンパー」。積載スペースには限りがあり、あの武骨でかっこいいハードクーラーを積む余裕は残念ながらありません(泣)。

そんな我が家のソフトクーラー事情ですが、長年エースの座を守ってきた定番『AO Coolers(エーオークーラーズ)』に加え、この夏、スノーピークから期待の新作『システムクーラーインナー19』が電撃加入しました!
「定番王者 vs 期待のルーキー…性能が高いのは果たしてどっちだ?」その答えを出すべく、2つのソフトクーラーの保冷力を徹底比較する緊急テストを決行!
この2種類のソフトクーラーのどちらかが気になっていた方の参考になれば嬉しいです。
AO クーラーバッグ 24パック
もはや、いつ買ったか思い出せないほど長く愛用している、我が家の絶対的エース『AO Coolers(エーオークーラーズ)』。ソフトクーラー選びで迷ったら、まずこれを買っておけば間違いない!と、当時確信して購入したのを覚えています。
数あるカラーの中から選んだのは、一目惚れした「モッシーオーク」。この深みのあるカモ柄が、ミリタリーテイスト好きにはたまらない無骨さで、キャンプサイトの雰囲気をグッと引き締めてくれます。確かな保冷力はもちろん、比較的手に取りやすい価格も嬉しいポイント。「デザイン」「性能」「価格」の三拍子が揃っているからこそ、多くのキャンパーに選ばれ続けているのだと、使うたびに実感します。

クーラーバッグ 24パックキャンバス | |
寸法 | 約高さ30 × 幅43 × 奥行25cm |
重量 | 約1,360g |
容量 | 約22.7L |
素材 | キャンバス、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル |
参考価格 | ¥12,000〜¥15,000 |
外側には収納ポケットが備わっています。マチが付いているので、見た目以上に小物を収納可能です。我が家では、生ゴミ用の消臭袋や、予備のビニール袋などをここに入れています。 すぐに取り出したいけれど、テーブルの上には置いておきたくない。そんな小物の収納スペースとして、ひとつポケットがあるのは嬉しい配慮ですね。

クーラー内部は、外側の無骨なデザインを裏切らない、実に潔い作りになっています。ポケットや仕切りといった装備は一切なし!買ってきた食材や飲み物を、気にせずガシガシ詰め込んでいくスタイルです。この「細かいことは気にするな!」と言わんばかりのシンプルな構造が、大きな肉のパックや箱入りのビールをそのまま放り込めて最高に使いやすです。

ショルダーベルトには厚みのあるパッドが標準装備されており、肩への負担を和らげてくれます。中身が重くなった状態でも、快適に持ち運ぶことが可能です。そして、手持ち用の持ち手も完備で地面から持ち上げたり、車に積み込んだりする際の動作が非常にスムーズになります。状況に応じて肩掛けと手持ちを使い分けられるため、重いクーラーの運搬が格段に楽になる、ユーザー目線の嬉しい設計です。

システムクーラーインナー19
2025年にスノーピークが送り出した期待の新作『システムクーラーインナー19』。公式では「1人〜2人用」とされていますが、そのポテンシャルは計り知れません。なんと2Lペットボトルが6本、500mlなら16本も入るという、嬉しい大容量!これなら4人家族のキャンプでも十分戦力になります。
しかし、誰もが「おっ…」と固まるのが、そのお値段。長年愛用のAOクーラーと比べると、なかなかの価格差があります。さすがは、我らのスノーピークです。
その価格の裏付けとなるのが、内部に採用された「アルミ蒸着エアシート」などの高性能断熱材。この見るからに頼もしそうな素材が、どれほどの保冷力を叩き出すのか…。

システムクーラーインナー19 | |
寸法 | 約高さ36.5 × 幅36.5 × 奥行27.5cm |
重量 | 約1,500g |
容量 | 約19.0L |
素材 | ポリエステル両面TPUラミネート、ナイロン、PUフォーム、アルミ蒸着エアシート、POM |
参考価格 | ¥24,200 |
このクーラーの外側には、収納ポケットなどは一切ありません。非常にシンプルで凹凸のないデザインが特徴です。これは、この製品が単体での使用だけでなく、「システムクーラー60」のインナーとしても設計されており、出し入れの際の引っかかりをなくす、合理的なデザインと言えます。クーラー内での結露なども想定し、外装生地にはポリエステル両面TPUラミネートが使用されており高い撥水加工が施されています。

キャンプでは、タープ下に置いたつもりが、気づけば雨や夜露でクーラーが濡れてしまっている、という場面が意外と多いもの。そんな時でも、このクーラーなら内部への浸水を気にせず、安心して外に置いておけます。

クーラーの蓋の裏側には、便利なメッシュポケットが装備されています。このポケットがあるおかげで、キャンプで使う調味料やカトラリーといった細々したものを、食材と分けてスッキリ収納することが可能。クーラーボックス内の整理整頓に役立つ、地味ながらも非常に嬉しい機能です。もちろん四角い保冷剤もばっちり入ります。

持ち運び用のショルダーベルトは、AOクーラーと比べるとパッドなどがない簡易的なタイプです。正直なところ、クーラー単体で長時間持ち運ぶ際の肩への優しさで言えば、AOクーラーに軍配が上がるでしょう。
「インナークーラー」でもあるため、大型クーラーへの収納時に邪魔にならないことが重視されているようです。そのため、ベルトの取り外しが非常に簡単になっています。このベルトをつけないと持ち手がないため、持ち運びは若干不便に感じます。

サイズ比較
容量ですが、「AOクーラー24パック」が23L、「システムクーラーインナー19」が19Lと、AOクーラーの方が少し大きい仕様です。実際の外寸はほぼ同じ。どちらのクーラーも「2Lペットボトルを縦置きできる」という点は共通しており、非常に優秀です。

取り出し口のチャックの長さは、測ってみると両者ほぼ同じでした。しかし、間口の広がり方には明確な違いがあります。

単純な容量だけでなく、「どんなものを」「どうやって積みたいか」をイメージしながら、自分のスタイルに合った形状を選ぶことが、満足のいくクーラー選びの鍵となります。そんな我が家も、試行錯誤の結果、ソフトクーラーだけで5種類に…。完全にクーラー沼の住人です(笑)。この旅、一体どこにたどり着くのやら。
【メリット】
間口が大きく広がり、中身が見やすく、奥のものも取り出しやすい。
【デメリット】
開口部が広い分、開けた際に冷気が逃げやすい。
【メリット】
開口部がコンパクトなため、開閉時に冷気が逃げるのを最小限に抑えられる。
【デメリット】
AOクーラーに比べると、奥のものがやや取り出しにくいと感じる場合がある。
このように、「取り出しやすさ」と「冷気の逃げにくさ」はトレードオフの関係にあります。もちろん、キャンプでクーラーを全開にして放置することはないと思いますが、「一度に複数のものをサッと取り出したい」場面が多いならAOクーラー、「少しでも保冷性能を維持したい」という意識が強いならスノーピークが、それぞれ向いていると言えるでしょう。
クーラー IN ジャグ
我が家のように大型ハードクーラーの積載が難しいキャンパーにとって、夏場の氷や冷たい飲み物の運搬は大きな課題です。その課題を解決するため、我が家ではメインクーラーとは別に、いくつかの保冷専用アイテムを併用しています。
氷やクラフトビールのストックにはワークマンの「ラウンド真空ハイブリッドコンテナ」、スノーピークの『サーモピッチャー1900』、『サーモタンク4700』を活用することが多いです。
このように複数のギアを組み合わせることで、積載スペースを圧迫することなく、夏のキャンプに不可欠な「冷たさ」を確保しています。

そこで編み出されたのが、ソフトクーラーに丸ごと入れてしまう「保冷二重構造」作戦です!
愛用のAOクーラー「24パック」に、スノーピークの『サーモピッチャー1900』と『サーモタンク4700』の2つが…まるで専用品かのようにシンデレラフィット!
ソフトクーラーの断熱性と、真空断熱容器の圧倒的なキープ力、この二重の壁で、中身をキンッキンの状態のまま長時間維持できるんです。
…我ながら、キャンプで飲むクラフトビールへの執念がちょっと怖いですね。

最近スタメン入りした、あのワークマン『ラウンド真空ハイブリッドコンテナ』ですが…残念ながらAOクーラーのチャックが閉まりません。

スノーピーク『システムクーラーインナー19』の方は『サーモピッチャー1900』と『サーモタンク4700』を2つ同時に収納することはできませんでした。クーラー本体がスリムな縦長形状のため、幅のあるサーモ製品を2つ並べて入れるスペースが確保できないようです。

一方、ワークマンの『ラウンド真空ハイブリッドコンテナ』との組み合わせでは問題なく、立てたまま綺麗に収納することができました。この『ラウンド真空ハイブリッドコンテナ』は、その構造上、横に倒すと中身が漏れる可能性があるため、縦置きでの運搬が推奨されます。その点、高さに十分な余裕がある「システムクーラーインナー19」は、コンテナを安定して縦置きできる理想的な解決策となります。

性能比較
温度測定方法
さあ、いよいよ検証開始です。
舞台は、灼熱地獄と化した我が家のベランダ。夏の直射日光を浴び、体感温度は40℃超え(?)という、クーラーにとっては非常に過酷な環境です。さすがに、この中で温度計を片手に行ったり来たりするのは正直しんどい。
そこでギアボックスの奥から、秘密兵器『ワイヤレス温湿度計』を引っ張り出してきました!これさえあれば、子機(センサー)をそれぞれのクーラーの中に放り込み、親機(モニター)を涼しい部屋に置いておくだけで、リアルタイムに温度変化を監視できるという優れもの。


- 子機①: ベランダ(外気温の計測用)
- 子機②: AOクーラーの内部へ
- 子機③: スノーピーククーラーの内部へ
実験の公平性を担保するため、保冷剤は全く同じ条件で揃えます。使用するのは、同一メーカーの同一製品。これを、それぞれのクーラーボックスに入れて計測を開始します。

デジタルな温度計の数値だけを追いかけるのも、なんだか味気ない。キャンパーとしては、もっとアナログな変化も楽しみたいものです。
そこで、500mlのペットボトルに入った水をンキンに凍らせてそれぞれのクーラーへ。果たして、明日の朝まで少しでも氷は残っているのか。これもまた、重要な勝敗の分かれ目です。


いよいよ温度センサーを中に仕込んでいきます!センサーが結露で壊れたら悲しいので、念のためそれぞれジップロックに入れて、準備はOK。
センサーが保冷剤に接触しないように中空にぶら下げるイメージで設置します。それぞれ高さが異なりますので、センサーと保冷剤からの距離がなるべく同じくらいの距離になるように調整します。
測定開始
両方のクーラーに準備した保冷剤と凍らせたペットボトルを入れ、いよいよ実験開始です。

本日の予報は最高気温35度。今朝はどんよりとした曇り空で、湿度が高くムシムシしますね。とはいえ、まだ日差しがない分、過ごしやすく感じます。

さあ、ここからが本番です。設置したばかりのセンサーは、まだ外気とほぼ同じ数値を示しており、静かなスタート。この穏やかな状態が、これから降り注ぐ太陽の光や、吹き抜ける風によってどう変化していくのか、実験の結末が楽しみです。

室内 | 26.6度 |
外気 | 25.8度 |
AOクーラー | 24.8度 |
スノーピーク | 23.7度 |
計測開始からわずか1時間で、スノーピークの『システムクーラーインナー19』が、約3度も低い温度を記録しました。我が家のように、出発前にクーラーボックスを冷やしておく「予冷」をするキャンパーにとって、この立ち上がりの速さは大きな魅力。準備の時短に直結するので、忙しい朝には本当に助かります。

室内 | 26.8度 |
外気 | 27.1度 |
AOクーラー | 18.5度 |
スノーピーク | 15.3度 |
なるべく両方への影響が均等になるよう配置を変更します。実際のキャンプでも、クーラーボックスは日陰に置くのが鉄則。そこで、タープの下を想定した日陰に2つとも移動させます。気温はすでに32度を突破。この灼熱の環境で、両者の真価が問われます。計測を続行しましょう。


室内 | 27.5度 |
外気 | 32.3度 |
AOクーラー | 23.1度 |
スノーピーク | 20.8度 |
外気温はついに34度まで上昇。ここで、『AOクーラー24パック』と『システムクーラーインナー19』の内部温度には、約5度という明確な差がつきました。この差が時間とともにさらに開いていくのか、非常に気になるところです。中に入れたペットボトルがどれくらい溶けているのかも確認したい気持ちを抑え、正確な検証のため、最後まで開封せずに計測を続けます。

室内 | 27.9度 |
外気 | 34.1度 |
AOクーラー | 26.2度 |
スノーピーク | 21.8度 |
外気温はついに本日のピークを迎え、天気予報の35度を軽々と超え、37度を記録しています。この過酷な状況下でクーラー内の温度を見ると、この時期は保冷剤が1つでは力不足だと痛感させられます。冷凍した食材ならまだしも、お刺身や生肉といった傷みやすい食材は、危険な状態にある可能性が高いでしょう。夏のキャンプでは、保冷剤の追加や食材の管理に細心の注意が必要ですね。


室内 | 27.5度 |
外気 | 37.3度 |
AOクーラー | 28.4度 |
スノーピーク | 23.8度 |
日の入りを迎え、日中の猛暑が和らぐとともに外気温も下がってきました。それに呼応するように、『システムクーラーインナー19』の内部温度は再び20度以下まで回復しています。実際のキャンプであれば、夕食を終えて焚き火を囲む心地よい時間帯ですね。しかし、クーラーボックスの仕事はまだ終わりません。明日の朝食の食材を夜間の気温変化から守り切れるか。ここからが、保冷力の真価が問われる正念場です。

室内 | 27.7度 |
外気 | 28.7度 |
AOクーラー | 22.9度 |
スノーピーク | 19.8度 |
多くのキャンプ場では22:00頃からがクワイエットタイム。その少し前の21:30は、子どもたちが寝る支度を始める時間帯ですね。その後、就寝前の23:00にも最終チェックを行いましたが、日の入り以降、クーラー内の温度は非常に安定していました。夜間の気温低下も手伝って、朝までしっかり食材を守ってくれそうだという安心感があります。


室内 | 27.8度 / 26.6度 |
外気 | 27.4度 / 27.4度 |
AOクーラー | 22.1度 / 22.5度 |
スノーピーク | 18.9度 / 19.2度 |
おはようございます!運命の朝を迎えました。外はひんやりと涼しいですが、クーラー内の温度は残念ながら昨夜より上昇。そして、凍らせていたペットボトルは…予想はしていましたが、両方とも完全に溶けていました。

室内 | 26.4度 |
外気 | 26.6度 |
AOクーラー | 25.1度 |
スノーピーク | 23.0度 |
しかし、ここで終われません。最も原始的で、しかしリアルな「肌感覚センサー」で最終判断を下します。息子の手に協力してもらったところ、「こっちの方が冷たい!」と指さしたのは、スノーピーク『システムクーラーインナー19』でした。


取り出した直後のペットボトル表面の結露具合からも、スノーピーク『システムクーラーインナー19』の方が保冷できているように感じます。ここで水温を直接測れなかったのが悔やまれます。
まとめ
真夏のベランダという過酷な条件下で実施した今回の比較レビュー。保冷性能という指標においては、スノーピーク『システムクーラーインナー19』に優位性が見られる、という結果になりました。

これは、後発製品として断熱材の選定や気密性を高める構造など、最新の設計思想が反映された結果と考察できます。
今回の実験を通して、改めて痛感したことは、「クーラーは、冷やす装置ではなく、冷たさを守る」ということです。私は氷点下近くになる勝手なイメージを抱いていましたが、保冷剤の力を借りて、食材の鮮度や飲み物の冷たさを「維持する」のがクーラーたちの役割なのですね。

自身の運用スタイル(容量、パッキングのしやすさ、デザインの好みなど)を分析し、どのスペックを最優先するかを見極めること。それが、最適なギア選びの第一歩と言えるでしょう。

この記事が、あなたのキャンプスタイルに寄り添う、最高の相棒探しのヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!ではまた。
- テスト環境について
今回のテストは、クーラーの開閉を最小限に抑えた状態での純粋な性能比較です。そのため、開閉は行わず実際のキャンプでの使用感とは異なる場合があります。各データはあくまで参考としてご覧ください。 - 設置場所の重要性について
クーラーボックスは、タープの下や日陰に置くことで、保冷性能を最大限に発揮します。今回の実験でも、一時的に日陰ができた際に温度上昇が緩やかになることが確認できました。 - 保冷剤について
使用する保冷剤の種類、性能、量によって、保冷時間は大きく変動します。今回のテストは、あくまで特定の保冷剤を用いた一例となります。